【野外映画上映作品紹介】バグダッド・カフェ

バグダッドカフェ

今日は、本映画祭で野外上映として作品上映を行う 「バグダッド・カフェ」という作品について紹介したいと思います。

日本では1989年に公開され、当時のミニシアター・ブームを代表する一作となった作品です。

わたしがこの映画を初めて観たのは、公開から十数年が経過した10代の頃でした。

青空のもと、タンクを掃除している女性の画がとにかく印象的だったのを覚えていますが、その他(大部分ってことになりますが・・・汗)は、ほとんど記憶から抜け落ちてしまっていました。

この映画祭のことをきっかけにもう一度観直してみたところ、 抜け落ちていた記憶のおかげで、もう一度この映画を自分の中で印象づけるとてもいいきっかけとなりました。

(恥ずかしながら初めて観たときは、登場人物の心情などあまり理解しようとせず、ただぽかーんと観てしまっていたという言葉につきます。。。)

この映画には華やかな美人や男前が出てくるわけでもなく、錆びれたモーテルが舞台、登場人物もぱっとしない変わり者ばかり、大きな事件が起こるわけでもありません。

ストーリーは色々な映画情報サイトですでに書きつくされていますので、ここでは細かく紹介はしませんが、いつもイライラしている女主人(ブレンダ)が営む、アメリカの砂漠地帯の途中にある錆びれたモーテルへ、ドイツ人の女性客(ジャスミン)が現れたことをきっかけに、モーテル同様寂れていた人々の心が再び通い合っていく姿を描いた、じわじわ心が温まる物語です。

詳しくはこちらもチェックしてみてください。

何もない場所だからこそ、そこでは互いの心がいい意味でも悪い意味でもダイレクトに伝わってしまいます。

ジャスミンが現れるまでのモーテルでは、そんなここでの暮らしを、ただイライラすることや、1人何かに没頭したり、ふらふら遊び呆けたりすることでやり過ごしてきた、そんな雰囲気でした。

ジャスミンという新しい風に、みんな最初は違和感しか感じず、また一つ厄介事が増えたぐらいの気持ちでしたが、次第に自分自身を振り返り反省し、相手を想うようになり、そんな変わっていく自分を楽しんでいく。

赤みがかった懐かしさを感じる映像とともに、映画には登場しない観客である自分の心までこのバグダッド・カフェに辿り着くのではないでしょうか。

最初はぱっとしない変わり者という印象でしかなかった登場人物たちも、映画を観終わる頃には一人ひとりが愛らしい存在に感じるようになり、自分の心が少し前を向くような余韻が残ります。

独特の映像センスと、主題歌の「コーリング・ユー」もとても素晴らしいです。

まだ観たことがない方も、だいぶ前に観たな~という方、もう観つくしたけどもう一度という方も、ぜひこの機会にご覧になってください。

 

■作品詳細ページ

http://kisssh-kissssssh.com/movies/bkcafe/

 

ライタープロフィール

Uga
Uga
高知県出身。横浜国立大学卒業後、映像関係の会社で働いています。
I'm just ブルーブルー。