【上映作品紹介】あの娘が海辺で踊ってる~あの娘は加太でも踊ってる~

 

あの娘が海辺で踊っている

出演:加藤智子 上埜すみれ 若月悠 福本一馬
 監督 : 山戸結希 音楽 : 富山優子 助監督 : 坂本悠花里 大和田麗衣、北山夏帆、鈴木菜月、藤原理子、三村京、花房遼、中島彦次郎
熱海に住む女子高生2人、男子高生2人の夏のストー リー。 AKBに憧れる自意識過剰な美少女舞子は海辺 の田舎町で浮いている。日本舞踊が趣味の「ホトケの 菅原」だけが唯一の友達であり、 強烈な依存関係に陥っている。そんな中、三味線部の笹谷、古野との出会いは契機となる。その音色が響いた時、彼女達が迎える ひと夏の成熟を描く。

 

スタッフの戯言

狂おしいほどの映画は3Sムービー。

「処女が集まって作った処女性に関する処女作」

巷では「処女の革命」て声高に叫ばれ、「処女映画」という世紀の大発明をしてしまった。だがそれは同時に「青春童貞」映画の死を意味し、「童貞」たちの墓標を立てた。童貞と処女はシンメトリーなんかでは決してない、ただの凸凹は鏡映しになどならない。

主人公舞子の「(女として)消費されたいけど、されたくない」という気持ちは寄せては返す波のよう。アイドル(処女)という虚構性を帯びた「消費」を求めつつ、田舎の三味線野郎との交わり、リアリティのある「消費」(処女の喪失)は拒絶する。

異性からの消費はおそらく舞子にとっては「死」を意味したのだろう。しかし同姓つまり菅原による消費、消費対象になることは「生」を意味し、それが矛盾した自分を生かす一つの方法だった。

しかし、そんな二人の関係性はそこまでの重みに耐えうる強度はない。主題歌のCPUが頭に渦巻く。「カスタマイズしておくれよ~カスタマイズしておくれよ~」菅原と舞子同性愛でもない二人の相互依存関係、少女たちの世界に救済を求めているようにも聞こえる。

何を言ってるか自分でもよく分からなくなってきたけど多分そんなかんじの雰囲気の作品です。

最後に、うら寂しい観光地としては落ち目を迎えた熱海と空き家が目立つ加太の町とが繋がるものを感じる。会場である向丁自治会館のすぐそこには海辺がある。あの娘は加太でも踊っているかもしれない…そんなことふと思ってしまう。

作品・タイムスケジュールの詳細はこちらからhttp://kisssh-kissssssh.com/movies/anoko-umibe/

 

 

ライタープロフィール

Naoto Oshita
Naoto Oshita
自意識がスパークしているしがない会社員です。