Kisssh-Kissssssh映画祭2014自主制作映画コンペティション部門 結果発表

ご無沙汰しております。
Kisssh-Kisssssssh映画祭実行委員会です。

多くの方々のおかげでKisssh-Kissssssh映画祭2014は無事に閉幕することが出来ました。誠にありがとうございました。

 

当日では行いましたが、Kisssh-Kissssssh映画祭2014コンペテイション部門のグランプリ作品を発表致します。
また、それぞれの作品への実行委員会、観客の皆様のコメントも発表致します。

 

グランプリ作品

『よっちゃん、逃げちゃ嫌!』

監督:井上勇人
詳細:http://kisssh-kissssssh.com/program2014/ycni/

スタッフからのコメント

不思議な空気感を持つドライな青春喜劇。幽霊的なものをある種エポックメイキングな表現がされており思わず膝を叩きました。目に見えないものをあえてそのまま表現することも伝えることになるんだと。あと主人公二人のホモソーシャル的なキャッキャッしている所が本当に多幸感満ち溢れていてずっと観ていたい!!!脇を固めるコミカルな警官も独自のテンポ感でツボにハマります。

観客の方からのコメント(アンケートより)

・よくわからなかったけど何かすごかったラストシーン。監督役の人のとっている分が絶妙に下手でよかったです。
・キャストが生きている力がある作品だと思いました。
・もっとその後のストーリーがみたくなりました。

 

入選作品

『橙と群青』

監督:赤羽健太郎
詳細:http://kisssh-kissssssh.com/program2014/daigu/

スタッフからのコメント

映画という「嘘」の中にドキュメンタリータッチなセリフという「本当」が入り交じり、不思議な空気感を構築している。この映画で着目すべきは「写真」。そのば空間、瞬間を切り取る装置であり、人間の視線でもある。だから、同じような風景を見ていたとしても人によって違った「視線」がある。そんな、「視線」の重なり、ズレによるドラマが否応無しに描かれている。

観客の方からのコメント(アンケートより)

・重々しいテーマが重なっていて見ごたえがありました。
・描くのが難しいテーマのはずなのに自主制作と思えないぐらい一本の映画として完成されていて今までみたものの中でも心にささる作品でした。

 

『COIN LAUNDRY』

監督:藤井悠輔
詳細:http://kisssh-kissssssh.com/program2014/coin-laundry/

スタッフからのコメント

コインランドリーで巻き起こる、男の葛藤。
男が欲しいものは、スーツ。娘の卒園式にでるためにただスーツが欲しい。
娘を愛する、男はスーツを手に入れることができるのか。
軽快そして愉快にすすむ、本気でおかしい作品

観客の方からのコメント(アンケートより)

・あのコインランドリーすごく鮮やかで見ていて惹きつけられました。もっと長い作品を観てみたいです。
・面白かったです。父の気持ちがよく伝わりました。

 

『ネオ桃太郎』

監督:小田学
詳細:http://kisssh-kissssssh.com/program2014/nmmt/

スタッフからのコメント

題名が「ネオ桃太郎」ということで、どんな鬼退治をするのだろうと思ってみたのですが、思いっきり予想を裏切られました。本当に新しいタイプの、「ネオ」な鬼退治(笑)一言で言うといい意味で「アホになりきった作品」です。余計なことは何も考えずに、クスッと笑えるしょうもなさが本当いい。最後まで「バカだなあ~」と笑いながら締められる、友達と一緒にみてツッコミを入れたくなる作品です。

観客の方からのコメント(アンケートより)

・あるあるも散りばめられていてとても楽しくあっという間に観ました。
・笑えて面白かったです。カメラマンが最後もっていったところがよかったです。まさに鬼だった。

 

『望まれない子』

監督:岩渕茂
詳細:http://kisssh-kissssssh.com/program2014/nok/

スタッフからのコメント

最初はとにかくホラー映画だと思い、ちょっと怖がって見てましたが、次第に引き込まれていきました。ただ単にホラーではなく、親子に起こる出来事をホラーテイストで描かれている作品です。
何回も予想を裏切られ、作り込まれているなあと感じました。
あと、個人的には途中の料理シーンがとても美味しそうで、たまらなかったですね。本当に美味しそうなんです!
そんなメインではなさそうなところにも注目しながら、是非見て頂きたいです!

観客の方からのコメント(アンケートより)

・命の大切さも考えられる部分もあり、作品も完成度が高くすんなり観れたのでよかったです。
・ストーリーの構成がとてもわかりやすく出演者の演技がすごくうまかったと思いました。面白かったです。

 

『嘆き』

監督:神村友征
詳細:http://kisssh-kissssssh.com/program2014/ngk/ 

スタッフからのコメント

タイトルどおり、人生が狂ってしまってどうしようもない人々の嘆きが描かれています。
残酷なまでの現実に押しつぶされそうになりながらも生きる二人の少女と家族の人間関係を冷たく、不気味に、そして少し暖かく描き出します。

観客の方からのコメント(アンケートより)

・見ていてドキドキしました。被害者と加害者側の本人、家族のどこにぶつけていいかわからない心境深かったなーと思いました。
・切ない。「さえ」と「ゆう」の友情の続きをみたい。映像が綺麗で好きです。

 

『東京ハロウィンナイト』

監督:岡田まり
詳細:http://kisssh-kissssssh.com/program2014/hol/

スタッフからのコメント

ハロウィンの夜カカシが動くそしてゾンビが平和を考えている。もう何が何だか!これはコメディー?ホラー?いやいやこれは列記としたラブストーリー。人を殺していくごとに仲の深まる2人。どこに向かうのか!今までになく、そして優しい余韻に浸れる物語。

観客の方からのコメント(アンケートより)

・カメラワークはよかったと思う。少女漫画みたいで軽い感じで観れた。
・何このファンタジーホラーロマンス!超面白い!

 

『花魁お雪と半蔵廓』

監督:増田翔平
詳細:http://kisssh-kissssssh.com/program2014/oroyhz/

スタッフからのコメント

アイドル映画と落語、食い合わせが悪そうな二つを見事に繋ぎ合わした監督に敬意を評しまくりたい。何と言ってもアイドル役であり現役アイドル内野未来さんの画面上の説得力。アイドル映画として申し分ない。あと、大手映画会社は増田監督に潤沢な資金を投入し、よりブラッシュアップされた「花魁お雪と半蔵廓」を撮って頂くべき。

観客の方からのコメント(アンケートより)

・半ちゃんの妄想努力に乾杯!
・落語と同じ人生の縮図がほのぼのした。

 

『It is a small world』

監督:橘剛史
詳細:http://kisssh-kissssssh.com/program2014/it-is-a-small-world/

スタッフからのコメント

たった15分の物語は、女性が砂浜で瓶に入った手紙を拾い上げるところから始まります。
そこから、女性の退屈な日常が季節を追うごとに徐々に広がってゆくの様子を、セリフ無し、映像と音だけで描いています。
時に”運命”は不思議な力を発揮し、私達の日常を変え、様々なものを残して去っていきます。
そんな儚さと清々しさを、繰り返し画面に映しだされる美しい浜辺の表情とともに感じることのできる。そんな作品です。
きっとあなたの心にも、何かを残して去っていくはずです。

観客の方からのコメント(アンケートより)

・美しく、引き込まれる音楽と映像でした。海へ行きたく、日々の生活を生き生きしたくなる作品でした。
・雰囲気のある印象に残る作品だった。一つだけ。主人公の女性が壁にはった地図が日本中心のものみたいだったのがきになりました。やはり自国のものをはるのだと思っていました。

 

『また明日、会いましょう』

監督:宗俊宏
詳細:http://kisssh-kissssssh.com/program2014/tomorrow/

スタッフからのコメント

大林宣彦やホドロフスキーを初めて観たときのような「理解ができない何かとんでもない物に出会ってしまった」感に囚われている。映画内のリアリティラインが突如崩れ、虚構が侵食していく。ディストピア的というか、夢想的な光景が広がる。「これぞ映画の醍醐味!」と言わんばかりに繰り出される1カット、1カットが非常に心地良い。

観客の方からのコメント(アンケートより)

・面白かったです。夏男とサングラスの人のくだりはなんだったのですかー!?何かがおかしくて何が正しいと分からなくなったときにどれだけ人間らしく判断できるかなと自分を振り返りました。
・痛々しく悲しくて観ているのがしんどい作品であったがとても見ごたえがあった。ラストは希望が見いだせるような展開でよかった。夢屋のシーンがトラウマになりそう。

 

 総評

今回のコンペテイションは本当に大大大混戦でした。
まず、作品の数が昨年度の75作品を大幅に上回る103作品応募があり、それぞれの作品のクオリティも格段と高く、審査は難航しました。個人的には一人阿鼻叫喚状態。なぜなら、どの作品も作り手の心血が注がれた煌きだからです。極めて卑屈な書き方になりますが、やはり、映画は作り手のほうが偉いんです、神様です。映画を観て、審査する自分はどうあがいても煌きに群がる蛾に過ぎません。そんな倒錯した想いを抱えながらも、魂を揺さぶる10作品を選びました。

改めて振り返ってみると、ホラーとは言いませんが不思議な雰囲気の作品が多かったですね。グランプリ作品の『よっちゃん、逃げちゃ嫌』や『東京ハロウィンナイト』『また明日会いましょう』等々・・・。別に狙ったわけじゃないです。自分なんかはゴリゴリの青春映画が好きですし笑。でも結果として、どこか古びている向丁自治会館や広い和室が印象的な北丁自治会館と合っていたと思います。だからといって上映会場や加太にふさわしい映画を出せということではありません。シネコンではなかなか観ることが出来ないような、作り手の想いが篭ったエッジの効いた作品が観たいんです!この和歌山という閉鎖的な地域に風穴を開けてほしいのです!!

最後にコンペティション部門にご応募していただいた皆様、本当にありがとうございました。皆様の今後のご発展を心の底から強く願っています。そして、ほんの少しでもいいのでこの加太という町を覚えておいてもらえれば幸いです。

ライタープロフィール

Naoto Oshita
Naoto Oshita
自意識がスパークしているしがない会社員です。