これが加太です。~食べ物編~

夜インターネットという海を彷徨っているといわゆる「食べ物テロ」に遭う。

「食べ物テロ」とは別にこん●ゃくゼリーやも●によって人々を恐怖のどん底に陥れる行為ではなく、食べ物を食べると太りやすい深夜帯に意図的に肉汁滴るハンバーグや美味しそうなラーメンの画像をネット上にあげ、人々の食欲煽り、「食べたいけど今の時間帯食べたら太ってしまう」というジレンマに陥れる行為である。

ともかく僕はこの深夜帯にあからさまな「食べ物テロ」に遭ったせいでお腹がすいていた。
やられっぱなしでは気がすまないので、報復しようとPC内の写真を漁っていたところ、加太の美味しい食べ物の写真があったので、これを取り上げることにした。

 

 

最初に紹介するのは揚げパンでお馴染みのキシモト商店。

加太にお住まいの方にとっては説明する必要がないぐらい地元では有名なお店のようだ。
僕にとって「揚げパン」と言ったらどうしても揚げたコッペパンに、砂糖やきな粉をまぶした給食に出たようなものをイメージしていた。だがキシモト商店の揚 げパンは可愛らしい大きさの丸っこいパンであった。揚げたパンのまわりに砂糖をまぶし、中に小豆こしあんが入っている。

「揚げたてで外はサクサク~」とは残念ながらならず、作りおきのものではあったが、生地しっとりとしていて、中のこしあんは甘過ぎず小豆の風味がほんのり感じられる。これで一個80円は中々安い。高校の部活帰り5~6個ぐらい買って食べたくなるパンだ。

 

初めて来るのにどこか既視感を感じる不思議なお店だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次に紹介するのは先田商店。

人形供養でお馴染みの淡島神社を出ようとすると

「どーど、どーど、よってきんやいよ」

と声をかけられ、ちょうど小腹もすいていて、どこか暖かいところに行きたいと思い、店内に入った。

 

 

 

 

 

スタッフの一人はお汁粉を頼んだ。まだ正月前だったというのに…。しかしその見るからに身も心も暖めてくれそうなお汁粉だった。また付け合わせの塩昆布も甘ったるくなっている口には調度よかった。

 

 

 

 

これは和歌山名産のオク貝、オオアサリだ。一見ハマグリにも見えるがハマグリではない。一瞬オク貝かハマグリかどっち食べたか不安になってきたが多分オク貝だ。

 

 

 

 

ちなみに私は、この寒い中ところてんを頼んだ。おそらくその月、生活費が底をつきそうでなるべく安いものを食べようと思いところてんにしたと思う。ところてんが出された時写真のようになんらかの黒い液体がかかっていた。

「これは黒酢なのか黒蜜なのか、それが重要だ」

と思った。なぜなら僕はところてんはスイーツだと思っているからだ。決しておつまみとかそういう部類ではない。酸っぱいのなんていらない。ところてんには黒蜜がかかっている必要があるのだ。

恐る恐る口に入れてみた。

 

 

 

このほのかな甘み…。

 

黒蜜だ!!!

「この店分かってるう~」と心の中でスタンディングオベーションを送った。

ところてん自体ものどごしが心地よく、あまり臭みもなく美味しかった。このところてんは地元の海岸に打ち上げられた海草を使って作られているようだ。

 

 

 

加太には新鮮な魚介類を扱ったお店、甘味処が多々ある。

ただ普通の地域と違うのはそれが一緒に集まっていないところだ。
よくある観光地はどこか一つのエリアにそのような甘味処、レストランが集まっている。その場所に行けば何かしら美味しい物にありつける。その空間に「ここで食え」を急かされているようである。

加太は一筋縄ではいかない。
甘味処や料亭は街に散在している。街に「俺を探ってみろ」と言われている気がする。
紹介した先田商店、キシモト商店はもちろんのこと、それ以外にも美味しいよもぎ餅がある店、ザル一杯に入ったサザエを売る店、たくさん心踊らすお店に出会ったが、すべて自分たちの「足」で見つけた。
そう、加太は歩きながら、探す楽しみがある。

そうやって自分たちの「足」を使って見つけたメシは不味い訳がない!!

なんちゃって…。

 

ライタープロフィール

Naoto Oshita
Naoto Oshita
自意識がスパークしているしがない会社員です。