いい歳こいて「スーパーヒーロー大戦Z」を観てきた

どうも大下です。
昨日、某スーパーヒーローの映画観てきたよ。

え、なんの映画だって?
仮面ライダー、スーパー戦隊、宇宙刑事の夢の共演、「スーパーヒーロー大戦Z」だよ。

画面の前でみんなが苦笑いしているのが目に浮かぶ。「ほんといい歳こいてだなw」とか思われているんでしょうね、きっと。今日お子様を連れていた保護者の皆さまと同じ顔をしているね!!これが「アイアンマン3」だったら「あーやっぱアメコミヒーローはいいよね。ツウだねえ~。」と思われるんでしょうね、きっと。

でもさー特撮ヒーローモノはただの子供向け番組ではなく、哲学的で、大切なことを教えてくれるメッセージ性のあるコンテンツ…なんてことはまるでない。若手イケメン俳優で奥様、かっこよくてコレクター欲の湧くあるおもちゃでお子様、いつまでたっても大人に成りきれない大人たち、彼らの心を鷲掴みにするのが今の「スーパーヒーロー」だ。

ちなみに僕の場合はヒーローに対しては怨念なようなものがある。

時を遡ること保育園時代。
同じ組のSくんとその取り巻きでよくウルトラマンごっこ(確かその頃はウルトラマンパワードが流行っていたっけ?)をよくやった。みんなローテーションを組んでウルトラマンをやるのになぜか僕だけまわって来なく、ずっとゴモラの役をやっていた。それどころか5人から6人がウルトラマンで、ゴモラである僕をボコボコにすることが多々あったと覚えている。他にもスーパー戦隊ごっこ(確かこの頃はカクレンジャーだった)をしても僕だけが新聞の折り込みチラシで作った剣は渡されず、ずっと悪の幹部やっていた。

 

そのせいか「スーパーヒーロー」への執着心がもの凄くあった。それが多感な思春期では心の奥底に閉じ込めていたが、いい歳こいた大人になった今、再び「スーパーヒーロー」への執着が溢れ出ているのだ。

 

前置きが長くなったが、もう少し前置きを書く。
近年のヒーロー事情についてだけど、一言で言うと「本当にバンダイさん商売上手だなあ」と言わざるを得ない。

 

仮面ライダーやスーパー戦隊の玩具の販売元バンダイの業績を見てみると

 

 

“(バンナムHD 仮面ライダー関連が好調 日経1月18日)
12年4~12月期連結営業利益は前年同期比3割増の400億前後になった。売上高1割増3500億、「仮面ライダーウイザード」の視聴率が高く変身ベルトが伸びた。ベルトや指輪を中心に特定の商品が売れたため生産効率が高まり利益率が改善した。

(ソース元:http://www.nikkei.com/article/DGXNZO50695890X10C13A1DT0000/)”

 

 

と驚異的な数字を叩き出している。

 

先述のように玩具、「変身ベルト」は多彩なギミックとコレクター性があって子供心を見事につかんでいるんだよね。特に平成ライダー第二期(ディケイド以降)、USBメモリやメダルといったアイテムを組み合わせることで仮面ライダーに変身のバリエーションが非常に広がった。特に一昨年放送された「仮面ライダーオーズ」では三つのメダルを組み合わせて変身していたため100種類以上の変身フォームがあった。また前回作「仮面ライダーフォーゼ」は約40種類のスイッチ、今作「仮面ライダーウィザード」は数十種類の指輪とよりコレクター魂をくすぐる商品となっている。お父さんやお母さんの泣き顔が目に浮かぶよ、ほんと笑。

 

ちなみに前作フォーゼまでのベルトの販売数は以下のようであった。

 

“2009年 仮面ライダーW『変身ベルト DXダブルドライバー』
→54万個販売

2010年 仮面ライダーオーズ『変身ベルト DXオーズドライバー』
→75万個販売(オーメダルは累計3000万個以上)

2011年 仮面ライダーフォーゼ『変身ベルト DXフォーゼドライバー』
→80万個販売(アストロスイッチは3800万個)”

 
去年一昨年と変身ベルトはすぐ売り切れになり、どこのおもちゃ屋さんへ行っても品薄状態で、ベルトを高値で売る転売厨が蔓延っていたとか…。
あと昔ほど「イケメン俳優」を前面に推し出してはいないものの、やはり特撮モノでの出演は若手役者の登龍門、悪く言えば踏み台になっている。有名どころで言ったら、「仮面ライダーカブト」の水嶋ヒロ、「侍戦隊シンケンジャー」での松坂桃李。最近ではNHKの連続テレビ小説「純と愛」で「仮面ライダーオーズ」の渡部秀、同じく朝ドラ「あまちゃん」で「仮面ライダーフォーゼ」の福士蒼汰が出演している。

 

※ちなみに渡部秀くんは全く同じ生年月日なので他人とは思えない。俺ももうちょい顔が良くて、頑張ったら仮面ライダーになれ(ry
さて本題である「スーパーヒーロー大戦Z」の話をしよう。
先述のように仮面ライダー、スーパー戦隊、宇宙刑事一同に集まり、またしても豪華過ぎる映画になっている。

あらすじはこんな感じ。

 

 

“ショッカーが魔法の能力でスペースショッカーとして新生し、宇宙全域で魔法が暴走するという大事件が起こる。仮面ライダーウィザード(白石隼也)は、謎の 現象の容疑で宇宙刑事ギャバン(石垣佑磨)から攻撃されるも、戦いの中で友情が芽生える。そんなあるとき、かつて倒されたはずの宇宙犯罪組織マドーが出 現。銀河連邦警察は超次元砲を使用し、マドーとスペースショッカーを一網打尽にしようとするが……。”

 

 

雑に要約するとヒーロー同士が何かと理由つけて戦ったり、いつの間にか昔の悪の組織が復活したり、最後はなんだかんだヒーロー同士が協力して巨大な悪に立ち向かい、どんちゃかやるお話。

 

前作「スーパーヒーロー大戦」と同じくお祭りみたいな騒々しい映画だった。ただ前作よりはフォーカスする人物が絞られていてまとまりがあったと思う。ただ前回で仮面ライダー、スーパー戦隊を出し過ぎたせいか、メタルヒーローも出演しているせいか登場した仮面ライダー、戦隊がかなり数が限られていた気がする…。まあ毎年あんなに大量のヒーロー見ていてもお腹いっぱいになるだけだしね…。

 

正直、今回の「スーパーヒーロー大戦Z」はじめ特撮ヒーローモノの映画ってストーリー性やメッセージ性なんて二の次!!!いわばヒーローたちのお祭りムービーだ!!!昔のメタルヒーローや仮面ライダーを出して大人たちをノスタルジックな気持ちにさせ、またとにかくいっぱいヒーローを出し、大乱闘をさせ子供たちを喜ばせる…これぞまさに娯楽映画ではないかい!?

 

僕が特撮映画好きなのはこの点なんだよね。
何も考えず口あけてぼーっと観れるのが好き。
様々な矛盾や圧倒的な挫折ばかりのこの世の中じゃこういうの観なきゃやってられないよ!!
最近、教養もないくせにかっこつけて「未来世紀ブラジル」や「時計仕掛けのオレンジ」、「ブレードランナー」など1970年代から1980年代ぐらいの頭を使って観る映画、程良く考える余白があるような映画ばかり観て、その後内田樹の映画論関係の本とか読んじゃったりしている。その反動のせいか余計子供っぽい映画が猛烈に観たくなり、何故だか知らないがスカッとして、下手すると涙を流している。

 

持ち前の映画論を振りかざし、「こんなの商業主義映画の象徴だ。けしからん。もっと哲学性、芸術性を問うべきだ」という人も多々いるかもしれない。でも世の中にはこういう幼稚な「お祭りムービー」があってもいいじゃないか!!!
以上全然映画祭や加太からかけ離れた個人的な趣味についてつらつらと書いてしまい大変失礼しました。Kisssh-Kissssssh映画祭では今のところ頭使わない映画から小難しい映画まで手広く上映する予定なので何卒よろしくお願いします。

 

 

ライタープロフィール

Naoto Oshita
Naoto Oshita
自意識がスパークしているしがない会社員です。